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断章のグリム7/甲田学人 ★★★☆☆ [キロク]


断章のグリム (7) (電撃文庫 (1574))

断章のグリム (7) (電撃文庫 (1574))

  • 作者: 甲田 学人
  • 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
  • 発売日: 2008/04/10
  • メディア: 文庫


 時槻風乃は、知っている。この世界と全ての存在は、常に『痛み』という火によって、焼かれ続けている。幼い頃に火傷したとき、火という物の本質は『痛み』であると学んだ。──火は『痛い』もの。そして、彼女に燻り続けていた『火』と『痛み』への思索は醸成され、一つの結論へと──。
 時槻雪乃のクラスメイトの古我翔花〔こがしょうか〕は、継母との確執により、いつも雪乃の家で泣いていた。死んだ母親の居場所を、形見の指輪を守りたいが、翔花は悔しさと悲しみに明け暮れて泣いていた。そんな時、ゴシックロリータに彩られた人形的な美しさを持つ風乃に出会い──。
 悪夢の短編連作型で贈る幻想新奇譚!

「よくばりな犬」は、最初のシーンからタイトルをなぞっていた。主人公の行為は都市伝説なのに、「よくばりな犬」にも見えるという、人間の共通意識的なものをかいま見た気がした。それにしても、水から手っていうのは結構怖い光景だなあ。蒼衣と雪乃が普通に活躍する。
「アリとキリギリス」は、電撃hpで読んだことがあった。働き者のアリと、遊んでばかりいたキリギリス。ふたりの少女の対比が上手く、終盤の転換も非常にスムーズで、納得がいった。
「金の卵をうむめんどり」は、一番長い。風乃が生きていた頃の、ちゃんととはいえないながらも時槻家が
成り立っていたころの話。序章が蒼衣の回想という形で始まったから、それと関連して現在というか最近に戻るのかと思ったら、戻らなかった。そこはなんとかしてよ!話の内容としては、グロさとかエグさで、断章のグリム史上1,2を争うんじゃないかしら?猫好きは耐えられないかも。雪乃の普通さに始めはちょっと引いた。むしろ風乃が雪乃っぽい!継母っていうのは大変だなあ。
 思い返してみて思ったけど、断章のグリム(っていうか甲田学人作品)って、メディア良化法成立したら即刻狩られるよなあ。


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