かわいくて、わがままな弟/金澤絵里子 ★★★★☆ [キロク]
だいたい、死にそうで死なないのが僕なんよ。自分を守ることは憎らしいくらい上手なんよ!
全身の筋肉がだんだんと衰えていく難病筋ジストロフィーと闘いながら、つねに目標に向かって挑戦し続け、世界に目を向けた国際基督教大生の奮闘記!
こんなに活き活きとした障害者の話は聞いたことがないかもしれない。特に、部分的な麻痺などではなく、生活自体がどんどん制限されるような障害では。ICUが彼を受け入れたこと、そして彼がICUを楽しめたことを誇りに思った。ICUの少人数教育という方針は、こういうメリットもあるんだなと思った。
しかし、ここまで人生を楽しむには、やはり最初に開き直りをすることが肝心なのかなと思った。できることが限られているからこそ、それらを肯定し、自分のやりたいこととやれることの折り合いをつけて、そこに全神経を集中させるというか。だからこそ、前に進めるし、自分の喜ぶべき点が見つかるのだろう。
ずっと母親と姉に介護され続けたけど、一番最期はひとりだったところに淋しさを感じた。
この本の良いところは、何より、ゴーストライターや、故人ではなくて、姉本人が執筆・編集しているところだ。
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