あのポプラの上が空/三浦綾子★★☆☆☆ [キロク]
どの家にも、人に知られては困る恥部がある。暗部がある。が、一見さりげなく無事をよそおって人々は生きる……
北の都札幌の病院長一家をひそかにむしばんでいたものは麻薬であった。覚醒剤であった。家族の葛藤と愛。青春の反抗と夢。切実なテーマに生きることの意味を探り、人間の絆を問う力作長編。
「うちは豊かで、与えられうるものを与えられてきたけど、うちには宗教がない」という言葉にすべてが集約される話。展開・結末ともに煮え切らない、と思う。
クスリがどうしてそんな簡単に手に入るのか、そしてそのお金はどうやって出しているのか、家族の家庭内別居状態はどういう経緯で生まれたのか、などなど、語られないことが多すぎる。そしてクスリを許容しすぎ。みんなまったりと構えすぎでは。時代のせいかもしれないけど。
全体的に、うーん、なんだかなあ、という感じ。
そしてタイトルの「ポプラの上が空」って、「ポプラの上の空」の「の」的な意味で「が」が使われてるんだと解釈してたけど、ラストで「ポプラの上からが空」という解釈だったことが分かってショックを受けた。そしてその表現が何を意味するのかよくわからなかった。
2011-01-27 14:45
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