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初等ヤクザの犯罪学教室/浅田次郎★★★★★ [キロク]


初等ヤクザの犯罪学教室 (幻冬舎アウトロー文庫)

初等ヤクザの犯罪学教室 (幻冬舎アウトロー文庫)

  • 作者: 浅田 次郎
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 1998/04
  • メディア: 文庫


「私はこの先、皆さんに鮮やかな詐欺の手口とか、簡単な人の殺し方だとか、強盗、麻薬、誘拐などの兇悪犯罪のノウハウを講義するわけですが、これらはひとえに、こうした犯罪に善良な皆さんが巻き込まれないようにという社会的見地からあえて公開するわけであります」──直木賞作家が実体験(?)から学んだ教訓を密かに明かす犯罪学エッセイ!

 浅田次郎って何者!?と思わせるような内容がずらずらと。この人、タダの小説家ではない。なんだかもっと他の作品も読みたくなった。
 たぶん今はもう改正されてるとは思うけど、「死刑」に値する犯罪のなかに溢水罪があるとか、クスリはクスリでもそれぞれ違う効果や依存性があるとか、普通の本を読んでいては知る機会のないちょっと特殊な知識がいろいろ詰まっている。特に面白かったのは、天切り松の技術。同じ部屋で、しかも住人が目を開けたとしても、騒がれることなくそのまま泥棒を続行できるなんて、そうそう考えられない。「どろぼう学校」はこういうことを教えてるのかなあ。現代の家ではなかなか難しいだろうと思う。だから押し入りとか強盗とかになってしまうのか。
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